海外競馬、レーティング

日本馬の海外遠征、レーティング、次走情報など

【高松宮記念2022】ナランフレグのレーティングは114

高松宮記念の公式レーティングが公表されました。
2022年3月GⅠ 重賞競走・オープン特別競走レーティング JRA

1着 114(108) ナランフレグ
2着 109(108) ロータスランド  クビ
3着 113(105) キルロード    ハナ
4着 112(112) トゥラヴェスーラ クビ
※カッコ内はプレレーティング

過去10年の勝ち馬のレーティングは以下の通りです。
2021年 116 ダノンスマッシュ
2020年 111 モズスーパーフレア
2019年 114 ミスターメロディ
2018年 116 ファインニードル
2017年 116 セイウンコウセイ
2016年 117 ビッグアーサー
2015年 118 エアロヴェロシティ
2014年 117 コパノリチャード
2013年 119 ロードカナロア
2012年 111 カレンチャン

全馬予想通りでした。トゥラヴェスーラが基準馬となっています。ナランフレグの114は過去10年の勝ち馬でミスターメロディと並ぶ最低の数値ですが、人気馬が総崩れでプレレーティングの低い人気薄の馬が上位に来ましたし、着差が小さいので、これくらいが妥当かと思います。

例年であれば、この後に香港のチェアマンズスプリントプライズに向かう馬もいるのですが、今年はコロナで遠征不可なので、ナランフレグはスプリンターズステークスに向けて放牧に入るようです。

キルロードもスプリンターズステークスに向けて放牧、ロータスランドはヴィクトリアマイルへ、メイケイエールは京王杯スプリングカップに向かうようです。レシステンシアはまだ報道されていませんが、ヴィクトリアマイル安田記念あたり、グレナディアガーズは京王杯か安田記念でしょうか。

ヴィクトリアマイルでデアリングタクトが復帰するようです。ソダシ、アカイトリノムスメ、ソングライン、ファインルージュといった4歳馬も出走予定ですし、面白いレースになりそうです。

スプリンターズステークスではピクシーナイトの復活した姿を見たいですね。

高松宮記念2022 予想レーティング

高松宮記念は大波乱の結果になりました。予想レーティングは以下の通りです。

1着 114(108) ナランフレグ
2着 109(108) ロータスランド  クビ
3着 113(105) キルロード    ハナ
4着 112(112) トゥラヴェスーラ クビ
※カッコ内はプレレーティング

過去10年の勝ち馬のレーティングは以下の通りです。
2021年 116 ダノンスマッシュ
2020年 111 モズスーパーフレア
2019年 114 ミスターメロディ
2018年 116 ファインニードル
2017年 116 セイウンコウセイ
2016年 117 ビッグアーサー
2015年 118 エアロヴェロシティ
2014年 117 コパノリチャード
2013年 119 ロードカナロア
2012年 111 カレンチャン

トゥラヴェスーラを基準に、ナランフレグのレーティングは114と予想します。114は過去10年でミスターメロディと並ぶ最低の数値ですが、人気馬が総崩れでプレレーティングの低い人気薄の馬が上位に来ましたし、着差が小さいので、これくらいが妥当かと思います。

スプリンターズステークスではピクシーナイトの復活した姿を見たいですね。

ドバイワールドカップデー2022 予想レーティングと感想

今年のドバイワールドカップデーは8レース中5勝、ゴールデンシャヒーン2着、ワールドカップ3着と、サウジカップデー以上に日本馬の強さを証明する1日となりました。

この時期は欧州馬にとってオフシーズンですし、サウジとドバイは香港とともに日本の庭になっていくのかなと感じさせる内容でした。

サウジからの転戦組よりドバイのみの出走馬の方が若干成績が良い気もしますが、ステイフーリッシュは1着、オーソリティは3着、チェーンオブラブは4着とまずまずの結果でした。サウジからドバイへ転戦する馬は来年以降も結構いそうですね。

ただ、オーストラリアや香港でもこの時期に高額賞金レースを開催しているので、コロナが収まれば遠征先がもう少し分散するかもしれません。

各レースの予想レーティングは以下の通りです。カッコ内は主催者発表のプレレーティングです。

ゴドルフィンマイル
1着 114(108) バスラットレオン
2着 111(111) デザートウィズダム 1 1/4
3着 105(115) ストームダメージ  3 1/4
4着 97(114)ソリストサンダー   4

バスラットレオンがまさかここで復活するとは矢作マジックにびっくりしました。今後はどのレースを目指していくのか楽しみです。
直近2年の勝ち馬のレーティングは115なので、2着馬を基準にするとちょうどいい水準になるかと思います。

ドバイゴールドカップ
1着 114(117) ステイフーリッシュ
2着 113(113) マノーボ      1/2
3着 111(104) アルマダー      2
4着 110(103) アリニャック    3/4

無傷の5連勝中のマノーボに勝つのは難しいと思っていましたが、一度抜かれた後に差し返す強い競馬でステイフーリッシュが海外重賞を連勝しました。
今後の予定としては、ロイヤルアスコットゴールドカップメルボルンカップの名前も挙がっています。ブックメーカーのオッズはゴールドカップは3番人気タイくらい、メルボルンカップは昨年の勝ち馬ベリーエレガントやモーリス産駒のヒトツあたりと並ぶ1番人気くらいになっています。
各馬のプレレーティングが低く着差も大きくないので、ステイフーリッシュのレーティングがレッドシーターフハンデキャップの117を超えることはないと思います。

UAEダービー
1着 110(105) クラウンプライド
2着 105( 98) サマーイズトゥモロー 2 3/4
3着 103(103) アイランドファルコン 1 1/4
4着 102( 99) ベンドゥーグ      3/4

日本馬にチャンスがあると思っていましたが、ヒヤシンスステークスで負けたクラウンプライドが勝ったのは意外でした。次走はケンタッキーダービーを予定しているようです。
セキフウのサウジダービー2着の時のレーティングが112なので、クラウンプライドもそれくらいにしたいところですが、上位馬のプレレーティングが低いため、上記予想くらいかなと思います。

ドバイゴールデンシャヒーン
1着 117(110) スイッツァランド
2着 113(113) レッドルゼル    1 3/4
3着 112(119) ドクターシーヴェル  1/2
4着 108( 96) チェーンオブラブ  アタマ

レッドルゼルはドクターシーヴェルをはじめとした米国馬やドバイのプレップレースを勝ったイースターンワールドをきっちり差し切りましたが、スイッツァランドの大駆けは意外でした。日本馬は3開催連続2着で、ダート短距離も強くなりましたね。
これまでの実績を考えるとスイッツァランドにあまり高いレーティングはつけにくいので、レッドルゼルのレーティングはプレレーティング通り112か113くらいかなと思います。

ドバイターフ
1着 120(113) パンサラッサ
1着 120(120) ロードノース   同着
3着 119(115) ヴァンドギャルド ハナ
4着 108(115) サフロンビーチ  3 1/2

パンサラッサはいつも通り軽快に飛ばしたようですが、意外とみんなついてきて大きく離した逃げにはなりませんでした。シュネルマイスターは残念でしたが、日本馬2頭と前年の覇者による叩き合いは見ごたえがありました。
日本馬2頭のレーティングがかなり上がるのが気になりますが、ロードノースを前年のドバイターフと同じ120とすると、ちょうどいい水準かなと思います。

ドバイシーマクラシック
1着 120(120) シャフリヤール
2着 119(120) ユビアー       クビ
3着 118(121) オーソリティ     1/2
4着 118(120) パイルドライヴァー 短アタマ

ハイレベルなメンバーがそろって予想は難解でしたが、結果的には事前のブックメーカーのオッズの上位3頭で決まりました。日本馬は上位独占もあるかなという強力布陣でしたが、やはりこの距離は欧州馬(ゴドルフィンを含む)も強いですね。特にユビアーは展開が向かない中で2着まで追い込んでくる強い競馬でした。
高いレーティングをつけたいところですが、着差が小さいので、ユーバーレーベンとフクムを基準にするとシャフリヤールは121か120くらいかなと思います。

ドバイワールドカップ
1着 123(119) カントリーグラマー
2着 120(122) ホットロッドチャーリー 1 3/4
3着 119(116) チュウワウィザード   1/2
4着 119(124) ライフイズグッド   短アタマ

昨年とは打って変わって米国の一線級の4頭が顔をそろえるハイレベルな一戦となりました。ハイペースで逃げた断トツ人気のライフイズグッドは初距離がこたえたのか4着に敗れ、最後方に控えたチュウワウィザードがライフイズグッドとミッドナイトバーボンを差して3着と大健闘しました。このままいけばいずれは日本馬が勝つ年もあるかもしれませんね。
6着のリモースとチュウワウィザードのプレレーティングが110、116しかないのがネックですが、米国の高レート馬4頭が5着までに入ったレベルの高いレースだったので、高めの予想としました。

サウジカップデー2022 予想レーティングと感想

今年のサウジカップデーはメインのサウジカップこそ6着、8着に終わりましたが、GⅢの5レースは4勝、勝てなかったサウジダービーも2着、3着と日本馬がすばらしい結果を収めました。

情報が少ないためレーティングの予想が難しいですが、各レースの予想レーティングは以下の通りです。GⅡ昇格に必要なレースレーティングは110ですが、4着までの馬の今年の最高レーティングの平均を用いるので、今後のレーティング次第では各レースとも昇格の可能性がありそうです。カッコ内は主催者発表のプレレーティングですが、日本馬は直近1年間の最高レーティングに置き換えています。

■ネオムターフカップ
1着 113(121) オーソリティ
2着 110(109) カスパー   1 1/4
3着 105(112) エベイラ    1/2
4着 109(109) ハロヴィアン ハナ
レースレーティング 110.25

オーソリティとエベイラ以外はレーティングの低い馬が上位に来て、着差もそれほどなかったので、オーソリティのレーティングはジャパンカップの121より低くなりそうです。オーソリティはここでは格が違いましたね。唯一対抗できそうだったパイルドライヴァーは11着でした。

■1351ターフスプリント
1着 109(112) ソングライン
2着 112(112) カサクリード   クビ
3着 108(110) ハッピーロマンス クビ
4着 103(115) ラウダシオン   3 1/2
レースレーティング 110.00

2着のカサクリードのプレレーティング112を基準にすると、ソングラインのレーティングは昨年の富士ステークスと同じ109となります。

■レッドシーターフハンデキャップ
1着 117(112) ステイフーリッシュ
2着 116(116) ソニーボーイリストン 4 1/4
3着 109(114) シスカニー      1 3/4
4着 108(112) バロンサミディ    2
レースレーティング 112.50

ソニーボーイリストンを昨年の愛セントレジャー(GⅠ)と同じ116とすれば、ステイフーリッシュは117か116くらいになります。GⅢにしては高いレーティングですが、おととしの勝ち馬コールザウィンドは118でした。このレースのみハンデキャップレースなので、負担重量を加味したレーティングになります。

■サウジダービー
1着 111(111) パインハースト
2着 110(106) セキフウ    1/2
3着 109(105) コンシリエーレ 3/4
4着 107(107) アルナーダー   1
レースレーティング 109.25

パインハーストをプレレーティング通り111とすると、セキフウが110くらい、コンシリエーレが109くらいになります。おととしのフルフラットは110、ピンクカメハメハは107でした。唯一の米国馬パインハーストはGⅠ馬ですし、やはり強かったですね。逆に日本馬はこのレベルの馬にここまで善戦できるなら来年以降も楽しみです。

■リヤド・ダートスプリント
1着 117(108) ダンシングプリンス
2着 103(109) グッドエフォート 5 3/4
3着  90( 96 )  チェーンオブラブ  3 3/4
4着  93(112)  コパノキッキング  1/4
レースレーティング 103.25

着差が大きいため、2着以下のどの馬を基準馬にしてもダンシングプリンスのレーティングが120以上になります。ただ、昨年のドバイゴールデンシャヒーン(GⅠ)を3馬身1/4差で勝ったゼンデンも117止まりでしたし、日本のダート馬で118以上は稀なので、117と予想します。唯一の米国馬ジノービリが直前で回避したので、過去2年と同様、日本馬にとっては楽な相手でした。

■サウジカップ
1着 121(114) エンブレムロード
2着 120(115) カントリーグラマー  1/2
3着 117(120) ミッドナイトバーボン 1 1/2
4着 111(117) メイキングミラクルズ  3
レースレーティング 117.25

2着馬のプレレーティング115を基準にすると全体的に低すぎますし、3着馬の120を基準にすると全体的に高すぎます。2着のカントリーグラマーを120にするとちょうど良い水準かなと思います。過去2年と同様、日本馬は掲示板外でした。人気のミシュリフ、マンダルーンが惨敗し、人気薄の地元馬が1着、4着、ウルグアイの馬が5着と意外な結果となりました。昨年もグレイトスコットが3着でしたし、サウジアラビアの馬も侮れないですね。

オーソリティドバイシーマクラシック(GⅠ)へ、ラウダシオンとエントシャイデンはアルクオーツスプリント(GⅠ)へ、ステイフーリッシュはドバイゴールドカップ(GⅡ)へ、セキフウはUAEダービー(GⅡ)へ、コパノキッキングはドバイゴールデンシャヒーン(GⅠ)へ転戦予定です。

テーオーケインズは次は帝王賞、ソングラインはヴィクトリアマイルでしょうか。ダンシングプリンスはドバイゴールデンシャヒーンの招待を辞退するようです。

これだけ好結果だと来年以降も日本馬のサウジ遠征は活発になりそうです。さらにドバイ転戦組が活躍すれば、サウジからドバイのローテーションが定番になるでしょうね。

カフェファラオのレーティングは117【フェブラリーステークス2022】

フェブラリーステークスの公式レーティングが公表されました。
2022年2月GⅠ 重賞競走・オープン特別競走レーティング JRA

1着 117(115) カフェファラオ
2着 112(112) テイエムサウスダン 2 1/2
3着 107(115) ソダシ        1/2
4着 111(114) ソリストサンダー  クビ
5着 108(111) タイムフライヤー  1 1/4
※カッコ内はプレレーティング

過去10年の勝ち馬のレーティングは以下の通りです。
2021年 115 カフェファラオ
2020年 117 モズアスコット
2019年 117 インティ
2018年 116 ノンコノユメ
2017年 116 ゴールドドリーム
2016年 117 モーニン
2015年 116 コパノリッキー
2014年 115 コパノリッキー
2013年 116 グレープブランデー
2012年 116 テスタマッタ

全馬予想通りでした。テイエムサウスダンが基準になっています。カフェファラオは着差が大きく強い勝ち方だったので過去10年で最高値タイの117と高い数値がつきました。

レースレーティングは112.75で、GⅡへの降格の警告を受ける可能性のあるボーダーラインである112を上回っています。

各馬の次走ですが、テイエムサウスダンはかしわ記念の予定です。カフェファラオはまだ公表されていませんが、ドバイワールドカップに登録しています。ソダシはドバイに登録していません。ヴィクトリアマイルあたりかなと予想しますがどうでしょうか。

ドバイワールドカップデーの選出状況は以下の通りです(3月3日更新済)。
○招待受諾、△選出(出否未定)、✕辞退

ドバイワールドカップ
○チュウワウィザード
✕テーオーケインズ
✕マルシュロレーヌ

ドバイシーマクラシック
○シャフリヤール
○グローリーヴェイズ
オーソリティ
○ステラヴェローチェ
○ユーバーレーベン
✕サンレイポケット(金鯱賞へ)
✕ウインマリリン(大阪杯へ)

ドバイターフ
○シュネルマイスター
○パンサラッサ
○ヴァンドギャルド
✕サリオス(高松宮記念へ)
✕ダノンザキッド
✕ホウオウアマゾン(マイラーズカップへ)

ドバイゴールデンシャヒーン
○レッドルゼル
○コパノキッキング
○チェーンオブラブ

アルクオーツスプリント
○ラウダシオン
○エントシャイデン

ドバイゴールドカップ
○ステイフーリッシュ
○ヴェローチェオロ

ゴドルフィンマイル
アルクトス
○バスラットレオン
○フルフラット
ソリストサンダー

UAEダービー
コンバスチョン
○セキフウ
○クラウンプライド
○レイワホマレ
✕コンシリエーレ

昨年のチュウワウィザードはサウジ惨敗からドバイで巻き返したのでテーオーケインズの回避が残念ですが、今年はいつも出走しないアルクオーツスプリントとかゴールドカップとかにも日本馬が出走予定なので楽しみですね。

ドバイシーマクラシックの日本馬は質・量ともにすごいメンバーですが、毎年苦戦するレースですし今年もゴドルフィンからブリーダーズカップターフ馬ユビアーや無傷の5連勝馬マノボが出るかもしれないので楽観視できません。少しクイーンエリザベス二世カップ大阪杯に回っても良かったのではという気もします。

フェブラリーステークス2022 予想レーティング

得意の舞台でカフェファラオが連覇を飾りました。予想レーティングは以下の通りです。

1着 117(115) カフェファラオ
2着 112(112) テイエムサウスダン 2 1/2
3着 107(115) ソダシ        1/2
4着 111(114) ソリストサンダー  クビ
5着 108(111) タイムフライヤー  1 1/4
※カッコ内はプレレーティング

過去10年の勝ち馬のレーティングは以下の通りです。
2021年 115 カフェファラオ
2020年 117 モズアスコット
2019年 117 インティ
2018年 116 ノンコノユメ
2017年 116 ゴールドドリーム
2016年 117 モーニン
2015年 116 コパノリッキー
2014年 115 コパノリッキー
2013年 116 グレープブランデー
2012年 116 テスタマッタ

過去の勝ち馬等との比較から、カフェファラオは着差をつけましたし連覇なので116以上はつくと思いますが、118はつけすぎかなと思いますので、116か117と予想します。

テイエムサウスダンは単純にレースの格と着順から考えればこれまでのベストパフォーマンスと言えるので、プレレーティングの112から下げたくないところです。

カフェファラオを117とすると着差通りつければ上記の予想通りとなり、テイエムサウスダンは112となります。カフェファラオを116にしたり勝ち馬ボーナスをつけると2着以下の馬がさらに下がってしまい、プレレーティングと比べて全体的に低くなりすぎるので、上記予想としました。

ただ、テイエムサウスダンは前残りになっただけでこの馬のベストは1400m以下だと考えれば111以下にしてもおかしくはないと思います。

予想通りであればレースレーティングは112.75となり、GⅡへの降格の警告を受ける可能性のある112を上回ることができます。

来週はいよいよサウジカップデーです。テイオーケインズやマルシュロレーヌがどこまでやれるか非常に楽しみです。世界最高賞金ですし今年からGⅠになったので馬券発売すべきだと思いますが、来年からでしょうかね。

レースレーティングランキング2019-2021【世界のトップ100GⅠレース】

毎年1月にIFHA(国際競馬統括機関連盟)が、前年の「世界のトップ100GⅠレース」を公表しています。これは、世界のGⅠ(2歳限定を除く)のうち年間レースレーティングの上位100レースをランキングしたものです。

下記リンク先の「Racing」にある「Longines Rankings」に、2015年以降の「世界のトップ100GⅠ」や各馬のレーティングが掲載されています。
http://www.ifhaonline.org/

2016年分から、現在と同じ単年度の数値によるランキングになっていますが、2015年分までは直近3ヶ年の平均値によるランキングでした。

この公表数値を元に、2019年から2021年までの3ヶ年の年間レースレーティングの平均値のランキングを作成しました。

年間レースレーティングは、4着までの馬のその年の最高レーティングの平均値です。レースのレベルの目安となり、格付け審査に用いられます。牝馬限定以外のレースで牝馬が4着までに入った場合には、4ポンドの牝馬アローワンスを加算します。

25位タイまで掲載しています。これより下位になると100位未満の年があるレースがあって、公表資料のみからは順位がわかりません。

1位はやはり凱旋門賞です。直近9年間で6年(2013年、2015年、2017年、2018年、2019年、2021年)も1位になっています。伝統や格式はもちろん、賞金の低い欧州の中では1着賞金が約3億7千万円と断トツで高く、2400m路線の欧州馬全て(騸馬を除く)が目標とするレースになっていますので、高いレーティングを持つ馬が多く出走することで、レースレーティングが高くなっています。

距離別に見ると、Lコラム(2101m~2700m)が6レースで、高い順に凱旋門賞、「キングジョージ」、有馬記念ジャパンカップ宝塚記念ブリーダーズカップターフがランクインしています。

Iコラム(1900m~2100m)が最多の12レースで、高い順にエクリプスステークスブリーダーズカップクラシック天皇賞(秋)、愛チャンピオンステークスインターナショナルステークスチャンピオンステークスプリンスオブウェールズステークスクイーンエリザベスステークスケンタッキーダービーコックスプレート大阪杯香港カップがランクインしています。

Mコラム(1301m~1899m)は7レースで、高い順に安田記念、ホイットニーステークス、ジャックルマロワ賞香港マイル、クイーンエリザベスⅡ世ステークス、サセックスステークス、チッピングノートンステークスがランクインしており、安田記念が最も高くなっています。

Sコラム(1300m以下)はTJスミスステークスのみです。Eコラム(2701m以上)は1つもありませんが、最も高いのは天皇賞(春)と英ゴールドカップだと思われます。2020年の英ゴールドカップが100位未満のためレースレーティングがわかりませんが、恐らく114.25くらいだと推定されるため、天皇賞(春)とほぼ同じです。

国別に見ると、26レース中、イギリスが7レース、日本が6レース、アメリカとオーストラリアが4レース、フランスと香港が2レース、アイルランドが1レースとなっています。

日本のレースは高い順に天皇賞(秋)有馬記念ジャパンカップ安田記念宝塚記念大阪杯がランクインしており、明確に秋>春となっています。これは、3歳馬の出走の有無、春はドバイや香港に遠征する馬が多い、宝塚記念は時期的に回避する馬が一定数いる、天皇賞(春)は距離が長い、といったことが要因と考えられますが、逆にマイル路線は、レーティングの高い中距離馬の一部が出走する安田記念の方が高くなっています。

ジャパンカップは2014年にレースレーティング世界一となるなど、日本で最もレベルの高いレースの1つですが、2019年はメンバーがそろわなかったため、天皇賞(秋)有馬記念を下回っています。

3歳限定戦は唯一ケンタッキーダービーのみがランクインしています。ランク外ですが、これに続くのが日本ダービー英ダービー皐月賞アメリカのプリークネスステークス英2000ギニーです。

牝馬限定戦はランクインしていません。3年とも100位以内に入っているレースがないため推定になりますが、牝馬限定戦の中ではブリーダーズカップディスタフブリーダーズカップフィリー&メアターフがトップと思われます。特にディスタフは毎年コンスタントに高レーティングをマークしており、世界最高の牝馬限定戦と言えます。これらに続くのが、フランスのオペラ賞と英国のヨークシャーオークスです。欧州の芝路線はもちろんアメリカの芝路線よりレベルが高いですが、欧州の強い牝馬は牡馬混合戦にも出走しますし、他にいくつも牝馬限定GⅠがあるので、オペラ賞やヨークシャーオークスはこの路線の全ての牝馬が目標とするレースというわけではありません。それに対して、アメリカのダート牝馬は、かなり強くてもブリーダーズカップクラシックに向かうのは稀で、みんながディスタフを目標にするので、レベルが高くなります。フィリー&メアターフもアメリカの芝中長距離の牝馬みんなが目標にするレースであり、かつ欧州馬が出てくる(2021年はラヴズオンリーユーも)ので、高いレーティングを獲得しています。

新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年のドバイワールドカップデーが中止となったため、毎年レースレーティングの高いドバイシーマクラシックがランクインしていません。2020年を除けば常に15位前後に入ってくるハイレベルなレースです。